プレジデント2011.17号掲載された
英語の社内公用語化について
ファーストリテイリング会長兼社長のお話を
紹介いたします。
英語の社内公用語化、店長・管理職全員が海外勤務へ。
日本一先進的な経営者が、読者の身近な「悩み」に答えてくれた。
特別インタビュー・柳井 正
ファーストリテイリング会長兼社長
ボク、英語がしやべれません。
もう会社はクビでしょうか?
35歳・男・メーカー
相談されたあなたの勤めている会社がどれだけ英会話のスキルを
必要としているかはわかりませんので、英語ができないからクビに
なるかどうかは判断できませんが、これだけは言えます。
もはや日本はビジネスに適した場所ではなくなっているのです。
これは極論かもしれませんが、国丙市場は、確実に縮小し、少なく
ともビジネスチャンスは減っていく。
そのような現実の中で果たして、日本語だけで勝負しようという
人が活躍できるフィールドがあるのかどうか、ということです。
特に若い人は、英語でビジネスのコミュニケーションができない人は
生き残っていけなくなるでしょう。
ですから、英語は必要最低限のビジネススキルとなってくるでしょう。
クビになる、ならない以前に、英語ができないとどこも雇ってくれない
という日は、そう遠くないのかもしれません。
しかし、それ以上に気になるのは、英語が話せないために、国際化
された市場で、外国人と一緒に仕事をするとき、日本人が委縮して
しまうことです。
僕は経営の原理原則的なことに関しては、日本でも、アメリカでも
中国でもどこでも一緒だと思っています。
人間同士がお互いの利益を目指して競い合ったり、一緒に仕事をする
ことに関して、国籍による大きな違いがあるはずはありません。
日本人同士だと、言わなくても通じてしまうけど、いつもそんな環境に
甘んじているから、いつまでたってもコミュニケーション能力が身につか
ないのです。
日本人のビジネスパーソンに一番欠けている能力は、英語力というより
コミュニケーション能力だ、と思うのです。